Home > Tags > 物語

物語

穏やかな話し合い <哀しい物語・4>

旦那さんから事の発端とその経緯、さらにはそこに至ることになった心情を一通り聞いた後、彼女もそれまで思い抱いていた心情を旦那さんに静かに語ったという。話を聞いてみると旦那さんがそうしている間、彼女がのほほんと過ごしているわけではなかったようだ。

彼女は生計を立てるために正社員を続けていたものの時間的に旦那さんとのんびり過ごす時間が少なく、彼女自身もそれがつらかったそうだ。仕事で疲れ切って帰ってきたときは特にそうしたかったが、そういうときに限って旦那さんも疲れていることが多く、そんなつらさを出すまいと独りで耐えていたという。時にはなんのために疲れ切るまで仕事をしているのかとさえ思いながら、独りでこっそり涙していたこともあったそうだ。

Continue reading

優しく重い問いとその答え <哀しい物語・3>

彼女が最悪の状況に陥っていることを知らせる相手からのメールを受けたのは、旦那さんの服を買うために車で旦那さんと出かけていたときだったそうだ。メールの中身を知ってショックだったものの、なぜか彼女は取り乱すことはなかったという。出先ということもあったのかも知れないが、それよりは突飛な出来事に対して彼女の場合は冷静になるタイプだからではないかと長年彼女を見てきた私は思った。

出先からの帰りの車の中で、彼女は旦那さんに尋ねたという。どういう事か話してくれないか、と。このときの彼女の心の中には怒りや恨みなどといった負の感情は感じられなかったそうだ。それでも問い詰められることになる旦那さんとしてはそんな状況下ですんなり話し出すわけもなく、旦那さんは出来ることなら話したくないというような態度を取っていたらしい。そんな埒のあかない状態のまま自宅の駐車場へ到着したが、彼女は車から降りずに旦那さんと対峙することにしたという。

Continue reading

告白の先にあったもの <哀しい物語・2>

彼女は某プロバイダが提供しているレンタルブログを利用して自分のブログを持っていた。以前はHTMLのタグを打ち自分のサイトを運営していたが、学生だった頃は良かったもの、仕事をするようになってから管理がより楽なブログに転向したという。

また、彼女には日常の何気ない風景を写真に納めたいと出かけるときにはカメラを持ち、いろんな風景に逢いたいからとバイクに乗る、という趣味を持っていた。日常の何気ない風景やバイクで出かけた先の風景を写真に撮り、撮り貯めるだけでは勿体ないとその写真を自分の言葉や気持ちと共に自らのサイトやブログで紹介していた。

しかし元々彼女はインドア派の性格。引っ越して家事に追われるようになり、さらに教習所に通っている傍らではバイクに乗ったり散歩してまで写真を撮りに行く気力が湧かなかったそうだ。それでも何か良い題材はないかと考えたところ、毎日のお弁当を写真に納めてお弁当の内容と共にその日の出来事を紹介することにしたという。

Continue reading

プロローグ <哀しい物語・1>

唐突のことではありますが、ある彼女のことをお話ししようかと思います。
(最初に断っておきますが、ここに書くことは彼女に承諾済みですのであしからず)

その彼女、私にとっては最も近しい人です。もう唯一無二といっても過言ではなく。そして彼女にとっても私はそうらしいです、彼女の話に寄れば。幼い頃からずっとずっと同じ時代を過ごし経験もそれなりに共有してきたとすれば、最も近しい人であることは当たり前と言えば当たり前なんですが。

Continue reading

Home > Tags > 物語

Tag Cloud
  • mamenagy project
  • チーム・マイナス6%
最近の投稿
Recent Reactions
Recent Pings

Return to page top