心情と思い出の整理の仕方を模索して <哀しい物語・13>

様々な感情と結論めいた思いを抱きながら数ヶ月が経ち、仕事の忙しさも相まって旦那さんの彼女の行動に対する苛立ちが募るようになったという。彼女がパソコンの中に関連する動画や画像が残っていることを指摘すると、仕事が忙しくて整理なんて出来ない状態なのを知ってて言っているのか、そんなに自分のことが信じられないのか、と彼女に感情をぶつけることもしばしばだったという。「私が普通に指摘しているのなら、夫が苛立ちを覚えても強く当たることは少なかったのかも知れなかったけど…」と彼女は言う。しかし実際はどうだったかというと、彼女は旦那さんへ嫌みを含めた指摘を行い、それが旦那さんの苛立ちを更に募らせることに繋がったのだそうだ。

彼女の置かれている立場と、そして旦那さんにとっての一連の騒動に関する気持ちや考えが彼女に伝わってこない状態では、嫌みの1つでも言うことで自らの中にある苛立ちを旦那さんに伝え、それを聞いた旦那さんの態度から旦那さんの本心を推し量りたかったのだという。しかし結果としては旦那さんの本心を推し量るどころか旦那さんの苛立ちを更に助長させ、酷いときにはパソコンの液晶モニターを投げつけようとし、彼女がそれを止めるために夫婦でもみ合いになるというようなこともあったりと、彼女の思惑に反した状況にしかならなかったそうだ。

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知りたい事実と望まない思い <哀しい物語 12>

彼女は相手の手紙に添えられていた写真によって一連の事態は紛れもない現実のことだと突きつけられショックを受けつつ、またプライバシーの侵害と理解しつつも旦那さんに当てた相手の手紙を読むことにしたそうだ。どんなに彼女が旦那さんに相手とのことを問うても『忘れた・覚えてない』という返答で終わってしまう状態で、旦那さんが相手とのことをどう考え、現状でどうしたいと思っているのか、そして無垢に信じていたものが全て崩壊してしまっている中、旦那さんの何をどう信じればよいのか、それらが全く分からない彼女は少しでも旦那さんのことを知りたいと思ったからだという。

旦那さんに当てた相手の手紙には連れて行ってもらった場所やキスなど相手が旦那さんにしてもらったことが簡単かつ具体的に書かれた後、旦那さんが彼女の元へ戻ると決め、手術をしなければならい状態に置かれた相手の無念さと、旦那さんへの罵倒でしめられていたという。その中で彼女が最も傷ついたのは

『私が母親になる資格がないのと同様に、あなたも父親になる資格はない』

という一文だったそうだ。

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『手紙』というパンドラの箱 <哀しい物語 11>

相手の手術も終わり、無事に自宅にたどり着いた彼女に旦那さんから相手からの1通の手紙が手渡されたそうだ。また旦那さんも自分に宛てられた手紙を受け取ったということで、それぞれ別の部屋にこもり相手からの手紙を読むことにしたそうだ。

彼女に宛てられた手紙の内容は彼女への謝罪と懺悔を表す言葉が綴られてはいたものの、それよりはむしろ、手術の恐怖や自らの戸籍に関わること、失われゆく命への高配を願うなど自らの置かれている現状に理解を示して欲しい旨が書かれているように受け取れたそうだ。彼女にとって期待していたものとは全く違った内容にショックを受けはしたものの、相手の年齢や経験、置かれている状況を考えると、そんな内容の手紙でも仕方がないだろうと思ったそうだ。

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長くて短く、短くて長い一日 <哀しい物語・10>

相手と旦那さん、そしてその2人の両親との話し合いから数日して手術を施す病院と日程が決まったという連絡が入ったそうだ。話し合いの折、相手と相手の母親のたっての希望で手術当日に病院へ旦那さん一人で来るように言われたという。己のしでかしたことへの罪について現状を目の当たりしてその身に刻みつけて欲しい、自らと自らの娘だけが苦しむのには納得できない様子だったと話し合いに出ていた旦那さんが言っていたそうだ。

旦那さんのご両親は旦那さんが病院に行く日の予定について、彼女を自宅に一人でおいておくのは心配だからと彼女に旦那さんと共にご両親の元へ来た後、旦那さんは旦那さんの母親に連れられて病院へ、彼女は旦那さんの父親と共に旦那さんが戻るのを待つ…という方法を提示してくださったそうだ。しかし彼女は普段でさえ旦那さんのご両親に気を遣っていることを考えると、旦那さんの父親と過ごすというのは現状の精神状態を考えると難しく、また今は出来るだけ旦那さんの傍にいたい気持ちがあったことから、病院の近くで長居をしても問題のない場所を探し、そこで過ごさせてもらえるようにお願いしたそうだ。旦那さんの父親としては彼女の希望に少々不満があった様子だったが、最終的に彼女の気持ちを尊重してくださったそうだ。彼女としてはご両親の提案は本当にありがたくて申し訳なかったけれど、自分の精神状態では迷惑をかけるだけだし、なににより独りで過ごしたかったからと言っていた。確かにただでさえ疲労困憊な状態の上に神経をすり減らすのはただただ辛いだけだろう。

そうして手術当日、彼女は旦那さんと共に旦那さんのご両親の元へ行き、旦那さんの母親と共に相手が入院している病院へ向かったのだという。

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突然の呼び出しに隠れた本当の目的 <哀しい物語・9>

相手の両親と彼女の旦那さんとの直接の話し合いから1週間ほど経った頃、旦那さんの携帯に相手の母親から書類に判を押してもらう必要があるから来て欲しいという内容のメールが届いたという。メールが届いた翌日の夕方、旦那さんの仕事の後で相手の自宅へ向かうことにしたのだそうだ。このときは彼女も彼女の旦那さんも書類に判を押すだけですむと思っていたという。しかし目的は判を押してもらうことだけではなかったそうだ。それは旦那さんが相手の家へ訪れてから判明することになったという。

この日も判を押すだけならと彼女は先日尋ねたときと同様に車の中で待っていたという。旦那さんが相手の家を訪れて数時間後、旦那さんは暗い顔で車に戻りそのままうなだれていたそうだ。そのうなだれ方に心配し彼女が聞いたそうだ。何があったのか、と。その問いに旦那さんは答えたという。判を押すだけの目的ではなかった、と。

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